アトピー性皮膚炎はストレス解消だけでは抑えられない
ある皮膚科の院長日記でアトピー性皮膚炎について書かれていました。その中で、アトピー性皮膚炎はストレスによって悪化するのは確かなのですが、その解消だけではどうにもならないというのは臨床医ならだれでもしっていることですが、アトピー性皮膚炎の患者さんの心理的な問題を声高に指摘して、保湿剤以外の薬剤を処方せず、かゆみを我慢させる臨床医がいるのも事実である旨が語られていました。
きちんとしたデータを示すことで不適切なアトピー性皮膚炎の治療がなくなるといいなということで、メディカルトリビューン紙からの研究記事が転載で紹介されていました。
第40回日本職業・環境アレルギー学会
〜アトピー性皮膚炎〜
ストレス解消のみでは皮疹改善は難しい
アトピー性皮膚炎(AD)の発症には,多くの要因が関与している。増悪要因として,仕事や家事などによる肉体・精神的ストレスが指摘されている。第一クリニックの前田晴美氏,杉浦会長らは,AD患者を対象に行ったストレスと皮疹の悪化との関連についてのアンケートから,「ストレス解消では皮疹の改善は難しく,薬剤変更を含めた対処が必要なことがわかった」と同学会で指摘した。
皮疹悪化による休職・転職者が少なくない
対象は,2009年2〜3月に同クリニックを受診した16歳以上のAD患者231例(男性74例,女性157例,平均年齢34.7歳)で,職業は会社員91例(事務職39例,営業職22例など),自営業14例,公務員6例,主婦26例,アルバイト33例などであった。
まず,肉体的ストレスによる皮疹の増悪について聞いたところ,「経験あり」と答えたのが133例(57.6%),精神的ストレスでは132例(57.1%)で,いずれか経験ありは174例であった。174例に対処法を聞いたところ(複数回答),「薬効が強い外用薬に変更」が90例と最も多く,次いで「内服薬を増量,または薬効が強い薬剤に変更」が69例,「何もしない」28例,「仕事(家事,学校)を休んだ」26例,「仕事をやめた」13例,「仕事を変えた」8例などであった。
「ストレス解消法がある」と答えたのは129例で,内訳は「スポーツをする」27例,「睡眠を取る」 24例,「趣味に打ち込む」18例など。解消法による皮疹の改善度を聞くと,「改善する」と答えた23例に対し,「改善するときとしないときがある」が 89例と最も多く,「改善しない」は17例であった。
前田氏は「ストレス改善だけでなく外用薬や内服薬の変更などを含めた対応が必要である。今後は重症度別に検討していきたい」と述べた。